フルローンでマイホームを購入したわが家
貯金もほとんど無いのに家の購入なんて夢のまた夢だよね…
そう思い悩みながら、最終的にフルローンで夢のマイホームを購入しました。
- フルローンを組むのは危険だと聞いたけど実際どうなの?
- 家がほしいけれど頭金の用意ができない…
- 新築って高いし…ねぇ?
そんな気になる住宅ローンの組み方について、わが家の体験談ではありますが前回の続きとしてお話したいと思います。
ちなみにわが家は、30代で年収300万円台、未就学の子供2人です。
頭金なし?フルローンのメリットとデメリット
頭金を入れずに家の購入を借り入れでまかなうことをフルローンと言います。最近では仲介手数料などの諸費用まで住宅ローンに組み込めるケースがあるため、その場合は手元の現金を使わずに家の購入が可能です。
以前は物件価格の20%程度の頭金を用意するのが常識とされていましたが、低金利の今はどう考えたら良いのでしょうか。
フルローンのメリット①低金利の恩恵が受けられる
親世代の方々(60代)にお話を聞いたところ、皆口を揃えて
- 金利は8%くらいだった
- 返しても返しても借金が減らなかった
- 借りた額の2倍以上は返済しなければならなかった
と話されていました。このお話を聞いていると、頭金を入れて少しでも借入金額を減らすのが常識とされていた背景がわかるような気がします。
金利の変化によってどれほど影響があるのかピンとこなかったので、30代で年収300万円台のわが家に適応された金利の0.5%と、親世代の頃に普通だったと聞いた金利の8%でトータルの返済額をざっくり計算してみました。
なお、返済期間35年の元利金等返済、ボーナス返済なし、わかりやすいように借入金額1,000万円、2,000万円、3,000万円について金利0.5%と8%で比較しています。
借入金額 | 金利0.5% | 金利8% |
---|---|---|
1,000万円 | 1,091万円 | 2,984万円 |
2,000万円 | 2,181万円 | 5,967万円 |
3,000万円 | 3,271万円 | 8,950万円 |
自分でも驚いて何度か計算し直しましたが、金利の変化によってトータルの返済金額が大きく違うことがわかりました。
低金利時代と言われている昨今。今後金利が上昇するリスクを覚悟する必要がありますが、低金利が続いている間はその恩恵を享受しても良いのではないでしょうか。
フルローンのメリット②マイホーム購入までの期間を短縮できる
マイホーム購入のために頭金を貯めるには、ある程度の期間が必要ですよね。
例えば、2,500万円の家を購入するためにその20%である500万円を頭金として用意するために必要な年数を、貯蓄のペースごとにざっくり計算してみました。
毎月10万円ずつ貯蓄→500万円貯まるまで約4年
毎月5万円ずつ貯蓄→500万円貯まるまでに約8年
毎月3万円ずつ貯蓄→500万円貯まるまでに約14年
さらに、頭金を貯めている間、賃貸で生活しているなら家賃がかかり続けます。頭金の500万円が貯まるまでの間に支払う家賃の総額を、ざっくり計算してみました。
家賃 | 4年 | 8年 | 14年 |
---|---|---|---|
5万円/月 | 240万円 | 480万円 | 840万円 |
10万円/月 | 480万円 | 960万円 | 1680万円 |
15万円/月 | 720万円 | 1440万円 | 2520万円 |
月5万円の家賃で月10万円の貯蓄をしながら約4年間払い続けると240万円の家賃負担、月5万円の貯蓄で約8年なら480万円、月3万円の貯蓄で約14年なら840万円です。
頭金を貯めるスピードにもよりますが、その間の家賃はなかなか大きい物です。
実際に、家賃を払いながら月に5万円、10万円と貯蓄するなんて…わが家では難しいことでした。
しかも、わが家が目指しているのは無謀にも楽しく子育てをするための家。子供たちが小さい今だからこそ家がほしかったのです。
頭金を貯める期間を必要とせず、マイホーム購入までの期間を短縮できるのはフルローンの大きなメリットだと言えますね。
フルローンのメリット③もしもの時のために手元に現金を残せる
- もし、一家の大黒柱が病気や事故で仕事ができなくなったら?
- もし、子供が大きな病気をして入院が必要になったら?
- もし、車が壊れたら?
数え切れないほど考えられる「もしものこと」。そんな時に手元に現金がなかったら不安ですし、実際に困ってしまいますよね。
手元に現金がないためにカードローンなどの金利が高い借り入れをするのは避けたいところです。
手元にある程度の現金があったとして、もしもの時に備えるためにあえてフルローンを選んで手元に現金を残すという選択肢もありなのかなと私は思います。
フルローンのデメリット①毎月の返済金額が大きくなる
同じ物件価格でもフルローンを組むと、当然借入金額が大きくなるので毎月の返済金額も大きくなりがちです。やはりこれはフルローンのデメリットです。
ですが、フルローンだから全てが危険というのも違うような気がします。
フルローンのデメリット②金利負担が大きくなる
同様に、同じ物件価格に対してフルローンの場合、借入金額が大きい分同じ金利でも利息の金額が多くなります。
ただし、上でお話した通り、低金利な今は毎月の返済額や返済総額、利息を家計に照らし合わせて自分にとって負担になるのか負担にならないのか、そこから検討しても良いのではないでしょうか。
フルローンのデメリット③審査が厳しくなることも
金融機関によっては借入金額が必要金額の90%を超えると金利が高くなる商品があります。一方で、フルローンでも金利が変わらない商品もあります。
見落としてはいけないのが、金融機関の審査のポイントです。返済能力があると金融機関に認められればフルローンでも審査に通過できる可能性は十分にあります。
つまり、フルローンかそうでないかで審査が厳しくなるのではなく、借入金額に対して十分に返済が可能な年収、年齢、家族構成、属性によって審査の可否が決まるのです。
フルローンの場合借入金額が大きくなるため、見かけ上審査が厳しいように見えるということです。
フルローンで家を買っても良い条件とは?
メリットとデメリットの両方があるフルローン。頭金なしで家が買えるなんて、夢のようですよね。
ただし、誰でもフルローンOKとはさすがに言えません。住宅ローンは借金に変わりないからです。
では、フルローンで家を買っても良い条件とはどんなものでしょうか?
無理なく返済できる予算を知る
答えは月々の返済金額が無理のない範囲で、かつ、返済期間の全期間で赤字にならない借入金額のローンを組むことです。
例えば、年収300万円のわが家が20%の頭金(1,000万円)を奇跡的に貯蓄できて5,000万円の家を買うとしたら…普通に考えて破綻するのが目に見えていまよね。
つまり、フルローンだからダメ、フルローンだからOKというわけではなく、返済額や借入金額が収入に対して高くならないように安心・安全な予算の範囲でローンを組むことが大切なのです。
安心・安全な予算内ならやっていける
実際にわが家では安心・安全な予算を計算して新築の注文住宅を建てました。
年収300万円台で低予算にも関わらず、です。
もちろん、普通にハウスメーカーへ行って普通に契約して普通に家を建てていたら早々に破綻していたかもしれません。
低予算でも良い家を作ってくれるハウスメーカーをとことん探し、安くて良い土地を紹介してくれる不動産屋さんが見つかるまで巡り歩きました。間取りの無駄をなくし、住宅ローンの比較も徹底的にしました。
こうして自分たちにとって安心・安全な予算を設定したからこそフルローンでマイホームの夢を叶えても不安なく暮らせているばかりか、賃貸暮らしの頃にはできなかった貯蓄ができるまでに。
それもこれも私たちの目線に立って考えてくれるハウスメーカーや不動産屋さん、金融機関の担当者に出会えたのが大きいように思います。
フルローンは危険というのはよく聞く話ですし、借金には変わりないので不安に思うことがあるかもしれません。そんな時はなぜ不安に思うのか、どうしたら不安に思わずに済むのか、不安に思わずに済む金額がどれくらいかを把握すると計画を立てやすいですよ。
ステキなマイホームの夢が叶うと良いですね。